~BQイッチー フィールド日記~  山・川・森 自然大好き~♪

bqichi.exblog.jp
ブログトップ
2013年 01月 21日

Golden Trout 白日夢・・・

e0202393_22313196.jpg

真冬日のとある日 鬼怒川の支流散策での出来事・・・金色に輝くトラウトを発見???
落ち葉の堆積した川面に光り輝く、透き通った魚体・・・・この光景を眺めながら
矢口高雄氏著書 釣りキチ三平に出てくるゴールデントラウトのシーンを思い浮かべていた・・・・

久々に古い釣魚怪奇幻談を引っ張り出してみました・・・・時間のある方・・・読んでみてください・・・・





e0202393_2233521.jpg

白日夢 (真昼に見る夢)
20XX年初夏 46年ぶりに日本で皆既日食が起こる。そして、日本中が太陽に注目していた。大勢の人々がこれほど晴天を望んでいたことが、今までに会ったであろうか? このニュースを目にした私は、少年時代に愛読していた釣りキチ三平に出てくるゴールデントラウトの事を思い出していた。それと同時に、密かに計画していた釣行を思い出し、忘れかけていた闘志に再び炎が燈ったのだった。皆既日食当日! 真夏の白日夢・・・・日本中が今日ほど青空を望んだ日はあっただろうか?私も少年期に夢中になって読んでいた釣りキチ三平に出てくる皆既日食の日に起こる怪奇現象? フライフィッシング編ニンフフィッシングの魔力より・・・・
e0202393_22334124.jpg

太陽が月と重なり、ダイヤモンドリングが現れる時・・・湖面がザワメキたち・・・スーパーハッチの嵐が巻き起こり地底より現れた、ゴールデントラウトが宴のライズを繰り返す!なんて、素晴しい超常現象なんだろうと子供心に歓喜しこんな日の訪れを心待ちに過ごした日々・・・そして、40半ばのオジサンになってやっとその日が・・・朝から仕事のシフトを強引に山梨山上湖方面へ・・・現地に着くと生憎の雨模様・・・かなり絶望的(涙)しかし、奇跡の10時50分! 雲の切れ目から薄日が差込み6割程度の太陽が月に喰われた日食が上空に現れた!
e0202393_22344597.jpg

7月も中旬に差し掛かり、梅雨明け宣言のニュースを聞いてから1週間が過ぎようとしている。しかし、相変わらず雨が降りさえない日々が続く東京近郊。春ゼミシーズンが終わって秋のカメムシが始まるまでひと段落の湖のフライフィッシングもひと段落着いて、これから本流のイブニングを楽しもうとマドラーミノーを沢山作ったと言うのに雨の影響で増水による濁りで本流や渓流も暫くお預けといった具合で暇を持て余す毎日。
e0202393_2235631.jpg

そんな折り、毎日のように流れるテレビのニュースで騒がれている皆既日食の話題。皆既日食とは、太陽と月が重なり光が暗くなると言うもの。月と太陽の作り出すダイヤモンドダストが完全に見られるのは、南の沖縄以南と言う事で、結構ツアーなんかも賑わいを見せていた。日食には興味があるものの遠方に出向いてまでいくほどのものか?と思いながらも、心の中ではこの日をどれだけ待ち望んでいたのだろうか?
e0202393_2235273.jpg

東京オリンピック世代の私は、少年時代に釣りに明け暮れる生活を送っていた。釣りのバイブルと言えば、書店で売っている釣りキチ三平を読んでは興奮している。フライフィッシングの記事では、キャストを覚えたりダブルホールなんてのも、この本からその存在を知ったようなものだろう。その中でも、フライフィッシング編ニンフの誘惑と言うストーリに出てくる皆既日食の日に起こる、自然が創り出す超常現象を察知した鳥達がざわめきだし、カゲロウがイブニングと勘違いしてスーパーハッチを起こし、それにライズするゴールデントラウトの乱舞。子供心に興奮を覚え、何時か僕も日食の日にそんな超常現象を見つけモンスター級のトラウトを狙うんだと誓ったものだ。しかし、日々が過ぎるにしたがいそんな事はすっかり忘れ去り、何時ものように釣りに没頭する平凡な毎日を過ごしていた。
e0202393_22354621.jpg

そして、月日は流れ40半ばに達しようとしている現在。今ではすっかりフライも上達して、ベテランの部類とよばれるようになってる。風貌も口顎鬚が生えて今では、すっかりいっぱしのフライマンに成長していた。そんな折、世間の皆既日食騒ぎが舞い込んできて、かつての思いを高ぶらせていた皆既日食の計画に再び闘志が燃えて、待ちに待った30年越しの例の作戦を実行する日がきてしまったのだ。
e0202393_22361124.jpg

翌日からは、日食当日の天気予報やら釣りができるフィールド情報収集と忙しい毎日を送っていた。天気予報によれば雨か曇りと言うことに、照る照る坊主を作りたい心境とまるで少年時代に戻った有様。どちらにしろ釣りをするのであれば曇り空がベストと気を紛らわし、目星をつけていたフィールドも山上湖に決めた。それと言うのもシーズン初期からこのポイントに通いつめているのだが、足元の駆け上がりでトラウトがUターンしていまう。しかも黄色い魚体で得体の判らないトラウトだからその存在をなおさら確かめたい希望もあった。
e0202393_22365513.jpg

皆既日食当日は、時間に余裕をもって山上湖へ向かった。湖面に到着すると天気予報どおりの曇り空。8時を廻っていると言うのに厚く覆われた雲の隙間に微かに光る灯りだけが太陽の存在を示す。初夏と言うこともあり湖面には、緑色の苔むしたものが覆いつくしライズ一つ無い静まり返った湖面。トラウトシーズンを外していると言うこともあり、フィールドにはバスを狙うルアーマンが数名いるだけ。いやいや彼らも今回の皆既日食による超常現象狙いでモンスター狙い? なんて、妄想も膨らみ必然とテンションも高まる。
e0202393_22371695.jpg

このシーズン湖で釣りを組み立てるとすれば、木々の覆いかぶさった木陰にテレストリアルを投げ込む方法が中心。春ゼミのシーズンは遅いし、カメムシはまだ少し早いかな? 使用するタックルもバックが取れない木を背負ったフィールドではダブルハンドのスペイキャストが有利。ドライの釣りを考えれば、手返し優先でショートヘッドのフローティングラインがベスト。木が覆いかぶさった木下目掛けてフライをキャストし、後はひたすら水面が割れるのを待つばかり。10時半を廻り皆既日食まで30分を切ったあたりから、上空がにわかに暗くなり、部分的な日食が始まっているものと予想し期待が膨らみ、キャストも真剣になってくる。依然として割れない水面に不安になりながらも超常現象のくるのを待った。そして、辺りがすっかり薄暗くなる頃、奇跡的にも一筋の光と共に雲の影から半月状に覆われた日食を観測することに成功。あまりの感動にしばしロッドを振るのを忘れ天を仰いで、月が太陽を喰らう様を目を細めながら見守った。さ~ライズの雨霰! ゴールデントラウトは何処だ?モンスターイワナは何処だ~と辺りを隈なく探すも・・・湖面は相変わらず・・・シーン~~~あれ? ライズ無いの?怪奇現象は? 超常現象は?真夏の白日夢見させてくれないの?
e0202393_22382038.jpg

あ!そっか! 皆既日食じゃないから6割日食って事で、モンスターもオアズケの6割程?じゃ~60cmの6割!40cmで手を打ちましょう~(笑)しかし、日食の効果も空しく・・・15分で日食終了~(笑)
再び、暗雲が立ち込めてきちゃいました~・・・(泣)何分ぐらい時が経ったのであろうか、ふとわれに返り、辺りを見渡し、水面のザワメキや虫達のハッチ、そして肝心のトラウトのライズを探してみるがそれらしい気配は感じ取れない。そう言えば、ゴールデントラウトのライズは皆既日食だったよな? いま見えている太陽は、半月から6割程度の日食だ! だから、ハッチが始まらないのか? それでも辺りが真っ暗だし? 皆既日食で80㎝クラスのモンスターであるならば、6割日食で計算すると、48cmのトラウト? そっかそういうことか、ならせめて半日食分の40センチで良いですからお願いします・・・・なんて、神頼みまでする有様。
e0202393_22414859.jpg

しかし、そんなことなど関係なく時は過ぎ、辺りが明るくなってしまった。日食が終わってからというもの、テンションもダウンしてキャストにも張りが無い。おまけに太陽ばかり凝視していたものだから、フライが何処に浮いているのかさえも目がくらんで判らない。時折パシャっと小さなライズ音がなるんだけど、ビックリあわせでオーバーアクションで裏の木にラインを取られまったく上手くいかない。こんなときには休憩が必要とランチを湖畔で広げる。ランチを食べながら皆既日食のことを思い浮かべていた。辺りが暗くなるまでは一緒だったんだけどな、そうだ、カラスや鳥達のザワメキがなかったんだ。ザワメキどころか、平和そうにカルガモの親子が岸辺でくつろいでたもんな。この鳥達は、超常現象を察知できなかったんだろうか? 放流魚だからライズしなったなんて、釣れないことへの言い訳を模索していた。しばらくして、せっかくの釣行と気分を一新してシンキングラインを引っ張り倒してみた。時折ハヤが掛かってくれ寂しさを紛らわしてくれた。そして、辺りが暗くなるイブニングには、湖面がザワメキたち無数のライズが巻き起こった。これが皆既日食がもたらしたライズなのか? 何時もの自然の営みによるイブニングライズなのかはもう、その時点ではどうでも良いかのように、あたりが暗くなるまで夢中になってトラウトのライズを楽しんだ。
e0202393_2239152.jpg

帰りの高速道路、車中で流れるラジオから皆既日食の話題で一杯だった。なんでも南の島では雨により見えなかったと言うことも知り、笑いがこみ上げてきた。今日の釣果に満足して笑みを浮かべた。そして、次に起こる皆既日食が26年後と言うことを知る。その頃には私も70歳を越え、白髪交じりのカーネルおじさんのような風貌になっているのであろう。そんなことを考えながら、もう26年後の皆既日食に巻き起こる超常現象では絶対モンスタートラウトを釣り上げ、真昼に起こる白日夢を今度こそは成功させようと計画を立てる少年の心を持った自分が居た。
[PR]

by bqichi | 2013-01-21 22:43 | フィッシング


<< Fly Fishing An...      2012年 Last Fish... >>