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~BQイッチー フィールド日記~  山・川・森 自然大好き~♪

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2011年 08月 18日

渓流に纏わる不思議な話・・・・・

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残暑 お見舞い 申し上げます・・・・・
夏 恒例の、渓流に纏わる不思議な話・・・・久々に リバイバルシリーズ 掲載いたします!
長文につき、熱射病に注意ください(笑) 携帯で見ている方 ごめんなさい・・・・・
2007 Summer Non-Fiction Story-web・・・BQイッチー




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お盆明けの週末 久しぶりの平日 オフ? 連休明けは魚野川へと、予定を組んでいたが・・・・銀山湖の状態が今一? と 言うことで、あえなくキャンセル? 蝉が弾け、カメムシが始まる、本栖湖の状態も少し気になりつつ、あったが・・・こう暑いと気は進まないのが本音? 連日の大雨で、大物が接岸して来ているのでは? と 妄想をしては見たものの・・・・やはり 踏切りがつかずにテレビに目を向けていた。無意識に付けたテレビ番組(心霊テレビ番組)?の おかげで、なかなか眠りにつけず・・・結局、悶々と暗闇の恐怖番組に見入ってしまう・・・・昨夜セットした目覚まし時計が、2時半に鳴り響くも・・・・何時の間にか、深い眠りについてしまった。
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チュチュン・・・ 鳥の囀り♪ 辺りの明るさで慌てて起きると・・・時計は、もう 6時を回っている。やばい! これから 本栖湖に行っても、朝一 ライズは 終わっているだろうし、到着する頃には、灼熱の太陽?・・・・しかも 人がイッパイで、ポイントも選べないじゃないかぁ~? ひとしきり嘆いたあと 釣りは諦め・・・再び、ベッドに潜り込んでみたものの・・・せっかくの 平日 オフ 何処か行くかと重い腰を上げる・・・とりあえず 車にフライセットとカメラを積み込み、北に向かって車を走らせる。行くあてのない 釣行には 自然とカーティスクリークに向かう癖が付いてしまうのは連鎖反応? 日ごろの疲れから のんびりと一人で過ごしたい・・・・と言う気持ちが強いのだろうか?
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H能市にあるN栗川に7時半に到着・・・・家を出てまだ、1時間もたっていないのに トラウトが釣れるポイントに! 我家の立地条件に感謝♪ 川に向かう前に自動販売機で コーヒーを買いながら、何時もの水生昆虫ハッチ チャート チェック。今日は モンカゲロウ 3匹 と ヒゲナガ・・・アカマダラ#18に コカゲロウ少々・・・・まるで、盛期を思わせるハッチチャートでは あるが・・・・これもそれも全ては昨夜の話・・・・夜明けと同時に気温がジリジリと上昇すれば、真夏の炎天下・・・・・日中は、何時もテレストリアル一色で フライを組み立てているのでした~(笑)
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この場所で、8時過ぎまで 昆虫採集? いやいや 水生昆虫のマクロ撮影である・・・・カメラ片手に昆虫にレンズを近づけ、這いつくばっていると・・・・お店の人が 不信そうに見つめる。そんな事は お構いなしに いい写真撮影に専念(笑) ここでのハッチチャートを 頭に詰め込み、フライを選択しながら、流れを上流に向かう。アカマダラが多かったが気分はアント? 夏渓流の定番は、ムネアカでしょう~? などと マッチザハッチも何処へ?・・・・相手は天然のイワナ 貪欲で流れてくるものは 蛇でも食べる? 前日振った 雨の影響も無く、濁りは ほぼなし。水位が 何時もより上がっているうで、本流から遡上してきた幅広ヤマメもいるかな~? などと・・・期待も高まる。今日は一投目から ちびイワナがフライにジャレツク・・・・もしかしたら 今年は 誰もこの沢に入ってないのかなぁ~? と 思わせる蜘蛛の巣が彼方此方に蔓延り、行く手を阻む?
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下流にある伏流水のおかげで、枯れ沢のイメージが強い川では、こんな事が良くある? この時点で、早くも爆釣の予感!? 入渓から2時間で、早くも2桁はリリース? 20㎝超えが 3匹・・・・こんな小さな沢では、アベレージ 15㎝平均で? 20㎝超えれば大物? 25㎝を超えようものなら万歳♪ 尺を超えたらそれこそ失禁? 20年もこの川に通っているが30cmを超えたのは3回? もうかれこれ10年以上 昔の話になってしまう。楽しい時間が過ぎる中・・・・腹の虫の音でふと時計に目をやると、もう お昼を回っていた。辺りを見回すと、随分と源流に来てしまったようだ。20代の時には良く 山奥まで攻めたが、これほど奥に登るのは久しぶり・・・・体力的にもここらへんで 帰らないと 明るいうちには無理かな?と 急いで下山ルートを探す。
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下山ルートも随分と昔の事で、記憶が薄い。川を見ながら尾根道を下れば 何時もの山道に出るだろうと? 軽い気持ちで 尾根道を下りだした。山菜取りの踏み後らしき道を頼りに、少しでも下るように心がけ山道を探すが、一向に出る様子も無い・・・もしかして 遭難? と 少し不安が頭を過ぎる。こんな時には焦ってしまう 私だが、場所が場所だけに、何とかなるだろうと? とりあえず川を見失わないように心がけた。しかし、已然と林道に出ず、時間だけが過ぎていく。迷えば迷うほど不安がつのり・・・いらぬ考えが頭をよぎる・・・・ふと 昨夜の恐怖番組が頭をよぎり・・・恐怖は、次第に現実へと置き換わる・・・遭難者のニュースや渓流で襲われた熊の事件。今年は熊の被害が異常に多く、山菜などの食料減少で、人里にも熊が?・・・・そんな時 近くの茂みから・・・ガサガサ音・・・・「何の音だ!?」 風も無いこの場所で、生き物の気配・・・・「もしかして 熊?」 足早に音から遠ざかろうと急ぐが、私を追いかけるように音は近づく・・・・そして とうとうその音が、私の真後ろに到着!? 恐る恐る後ろを振り向くと・・・・「ワ~出た~!」 思わず大声を上げてしまう 私・・・その動物は、何の動揺も無く、私を見つめ・・・黒く大きな4本足をしっかりと大地に横たえ、私を睨んでいる。
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恐る恐る目を見開くと、私の考えていた 最悪の動物 熊 よりも 少し小さな体つき・・・・うん? 山犬? シェパードよりも少し小さな体格のハンティングドッグ? 内心ホット胸をなでおろし・・・何だぁ~犬かぁ~と安堵の表情を浮かべてみたが・・・・次の瞬間 再び山犬に恐怖を抱く。目を反らしたら今にも襲いかかって来そうな眼力!? しかし、相手は元飼い犬? 人間に飼われたことのある犬ならば人間は襲わない?と、平常心を取り戻して 何食わぬ顔で下山を試みる・・・・見ないふり、見ないふり そう言い聞かせながら犬との距離を離すことだけに集中・・・・しかし、私が動こうとする行動に反応するかのように、先を小走りに走る山犬・・・・振り返りながら距離を置いて、時たま私を睨みつけるようなしぐさ・・・・・ただ 時たま道が無くなりそうになったときに、その山犬は 「コッチダヨ」 と 言わんばかりに先行して道案内を買って出た? この時 ふと 昔読んだ 「送りオオカミ」の話が、頭に浮かび 底知れぬ安心感がこの時点で 私を包んでくれた。もしかしたら この犬は、この地に猟に来て迷っているだけ? 本当は、人間に会えて喜んでいるのかも? などと、心に余裕も出てきた。 何処を どう下ったか? わからないまま 山犬の後を追うように藪の中を掻き分けて、やっとの思いで、林道にたどり着く。
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山道を下り ようやく車にたどり着いたのは もう夕方5時を超えていた。下山から3時間あまり、山犬と時間を共にして、車に到着する頃には、この山犬に妙なひたしみさえ感じられるようになった。私が車で帰り支度をしている最中も、私の横を離れることなく 横たわる山犬。身支度を早々に済ませると これまでの感謝の意味をこめて、この山犬に昼飯を分けた。満足げな表情で、私と一緒に昼飯を食べる山犬・・・・その表情からは、先ほどまでの殺気じみた顔つきは微塵も感じられず、飼い犬のような優しい目つきに変わっていた。しかし、あまりの体格の良さから已然 触ることは ためらう私・・・そして、山犬に感謝と別れを告げ、何時ものカティースクリークを後にした・・・・・残暑のきつい夏の日 通いなれた渓流で出会った不思議な体験・・・・・BQイッチー

by bqichi | 2011-08-18 08:01 | モノローグ


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